投資物件を利用しよう

9月作表の例で説明しますと,回収条件が月末締め,翌月末起算,手形回収の取引先であれば,売掛金の回収はひと月遅れになるのですから,入金をひと月ずらす。
つまり,9月度に入金(例えば9月30日に手形で回収)した額は,ひと月前の8月の売り上げに対応しているはずですから,作表上の入金行の対応月は「前1月売上」(=8月欄)に記入します。
 もう1つ例を挙げてみましょう。
回収条件が月末締め,翌月末起算,3ヵ月後の期日振り込み入金の取引先であれば,9月末日に銀行振り込みされた入金額は,5月売り上げ分か入金されたはずですから「前4月売上」(=5月欄)に記入します。
 少々ややこしい説明になってしまいましたが,この作表の基本的な考え方とメカニズムは,このような理屈になっているのです。
まだまだバリエーションはありますが,詳しくは後述します。
 以上の方法で設定した「売上」,「入金」の元データを上下差し引きして,3行目の「差」行を計算します。
これは単純に差し引きするだけのものですが,少し工夫を凝らしているのは,次段の「調整差」行です。
「差」行は,「売上」と「入金」を単純に差し引きしたままの数字であり,そのまま提示するには不都合な部分もあるので,調整したのが「調整差」行になっているのです。
 調整には,例えば次のようなものがあります。
 「売上」,「入金」を単純に差し引きした場合,「差」欄に2ヵ月にわたり,同一金額でのプラス,マイナスが表示されるケースが出てきます。
例えば,入金がたった1日の違いで翌月回しになる場合です。
6月30 日振り込み入金の予定が,6月30日が日曜日だったりすると,よく解釈すれば,先方は末日に振り込み手続きをしたのかもしれないが,銀行の受入預金口座では7月1日で打たれてきたようなケースで,よくあることです。
 この場合,「売上」,「入金」を単純に差し引きした「差」行には,6月と7月の2ヵ月にわたり同一金額でのプラス,マイナス額が表示されてきます。
実際には,1日遅れであってもすでに回収されているのですから,調整しないままでは,いかにも滞留があるような表示になり,意味がなく見苦しいので自動消去することにしているのです。
 「調整差」行は,前述のとおりそのまま第1表「売掛金滞留管理表」になるのですから,お座敷に出す数字は見やすい方がよいので,このようなテクニックを使います。
 (解説3)表の利用方法 この表は,「売掛金滞留管理表」と異なり,1つの得意先で4行をとるので枚数が多くなっていますが,営業の担当者が,売掛金を管理する場合によく使われる「請求書」と違って,「売上」と「入金」が個別に対応しているため,一見するだけで売掛金の発生,消滅の履歴が見てとれる便利なものです。
 今残っている売掛金は,何力月前の売り上げ計上分か消し込まれていないからだとか,その原因関連がすべてわかるのです。
それでも不明な部分があったら,そのときは営業の担当者が,その合っていない月次の請求書を引っぱり出して,個別に「売上」と「入金」を突き合わせればよいのです。
 この表は,主に営業担当者にとって便利な表であり,一方「売掛金滞留管理表」は,管理者が見て,特に役に立つ表であるといえましょう。
「売掛金滞留管理表」と「売掛金滞留明細表」の2つの表がセットになって,その効果を最大限に発揮することが可能となるのです。
 ③売掛金回収予定表 売掛金の集金日ごとの回収予定リストです。
表は得意先別,担当者別に「回収すべき金額」と,手形の場合は「所定サイト満期日」が表示してあります。
平たくいえば,誰が!いつ!手形,振り込みどちらを!手形なら満期日はいつ!いくらの金額で!回収すべきかを表にしたもので,本来このとおり回収しなければならないはずの売掛金リストです。
 作表は「手形」,「振り込み」,「相殺」の3種類あり,ほかに営業担当者が使いやすいように「担当者ごと」に組み替えた表と,都合4種類の構成になっています。
 (解説1)売掛金管理の関所 この表は,まず経理が手元に置き,営業から回収された品代金が経理窓口に収納されるとき,チェックするために利用するものです。
 手形収納の場合は,営業担当者の持参した手形現物に記された「額面金額」と「満期日」をこの表の数値と照合します。
金額と満期日に相違があったときは,原則として手形を収納しない取り決めにしておくとよいでしょう。
 振り込み入金も同様です。
毎日,記入連絡を受ける銀行預金通帳と,この回収予定表を確認しながら消し込みしていき,表で消し込まれず残ったものがあれば,営業に連絡して回収促進の手筈をとってもらいます。
 相殺は,経理の手元で買掛金と伝票照合できるのですから,営業からの相殺依頼を待って処理します。
 このような使い方をすることで,回収予定表に売掛金回収管理の「関所」としての役割を持たせることが可能になります。
ただし,最初のうちは金額が違っていたり,サイト満期日が予定どおりでなかったり,合わない事態が続出するはずです。
 これは,従来の売掛金管理体制のどこかに不備があったからで,この方式を何力月か続けていくうちに落ち着いてきます。
そのときには,「売掛金滞留管理表」もずいぶんときれいになっているはずです。
 (解説2)もう1つの効用 売掛金回収予定表の基本的な利用方法を述べましたが,この表を作成することで得られるもう1つの効用について説明したいと思います。
それは「資金繰り計画との連動」です。
 いい忘れましたが,この表は前月までの売り上げデータによって作成されています。
つまり,作表の表題月次が,4月となっていれば,元データは3月までの累積データがデータソースとなっているということです。
予定表ですから前もって作成されているのです。
 この表の下部分の欄外を見て下さい。
「月別計」の金額が数力月にわたり表示されていますが,これは4月ならば上の月に1度の綱渡り 皆さんは,預金はもちろん,割引用の手形が不足して,月末決済日のお金のやり繰りに神経を使うこともなく過ごして来られたものと思われます。
ご同慶の至りです。
 会社経営は,日繰りに始まって日繰りに終わるものです。
年度資金計画,月次資金繰りが立てればひとまず安心ですが,資金で苦しむ会社は,そうはいっておれません。
ようやく月次のお金のつじつまを合わせても,月末は綱渡りです。
 業績がよくないため,回収する受取手形の絶対数がもともと不足しているのに持ってきて,こういう会社に限ってボロ手形しか入りません。
また支払手形の落日を読み間違えたり,予期しないことが起きて預金がショートします。
銀行の目は一段と厳しく,まさに月末は時間との戦いです。
 業績の悪い会社,小さな会社は日繰りで勝負が決まります。
表部分で集金日が4月になっている行の金額を集計したものです。
同様に5月,6月,7月と続きます。
回収予定表(手形)が4月のものならば,4月計の金額は4月に営業担当者が回収すべき受取手形の合計金額です。
5月計の金額は5月に回収すべきもの,6月,7月と同様に続きます。
 またこの表で,データを満期日ごとにソートにかけて集計すれば,手形落ち日ごとの予定データが得られます。
手形の場合は,割引に出すものもありますから,実績での資金計画は操作が必要ですが,予想時にはこのデータが利用できます。

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